2008年9月21日日曜日

冷泉 彰彦 「民主党のアメリカ 共和党のアメリカ」 日経プレミアシリーズ

村上龍主宰のメールマガジンJMMで、「From 911, USAレポート」という記事を寄稿している筆者による新書。

メールマガジンでは、非常にバランスのとれたアメリカ論を展開しているので、冷泉さんの記事をいつも楽しみにしています。この本は、アメリカ大統領選に合わせて上梓されたのだと思いますが、期待通りの内容でした。

かつて南部を支持基盤としていた民主党と北部を支持基盤としていた共和党が、それぞれの地盤を逆転させた経緯や、妊娠中絶や公的医療保険など、アメリカ大統領選でほぼ必ず議題になる対立軸が、なぜかくも毎回争点となるのかというようなことを解き明かしてくれます。

この本を読むまで全く気づかなかったのですが、民主党の支持基盤であると思っていたハリウッドが作る映画にも、民主党の価値観を反映させたもの、共和党の価値観を反映させたもの、両方あるそうです。例えば同じ隕石映画(?)でも、ディープ・インパクトとアルマゲドン。どちらがどちらのカルチャーか、見てみるとおもしろいと思います。

良い本だと思いますが、後半少しだけ冗長気味なので、星四つ。


【☆☆☆☆★】

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