2008年10月3日金曜日

週刊ダイヤモンド 2008年9月13日号 「給料全比較」

みんな気になる人の給料。しょっちゅう雑誌で特集されていますが、最近は、単なる人の給料に対する興味から、下流社会論あるいは格差論としての給料論へと、その中心が移ってきているような気がします。

今回の週刊ダイヤモンドの記事も一応は、格差論的な給料論が多少ですが展開されています。教育委員会汚職のあった大分県における、民間企業、平の教師、校長の給与の格差など。

ただ、「格差論」を全面に押し出しているのではない、今号の「給料全比較」のような記事では、読者の多くはやはり、興味本位で読んでいるのではないでしょうか。かくいう私も、普段ビジネス誌は専ら日経ビジネスか週刊東洋経済を読んでいるのに、この号は「弁護士」特集が掲載されていたので買ってしまいました(笑)。

その弁護士の記事で載っていた中で気になったのが、「過払金の六割が報酬に化ける!」というもの。確かに現在、弁護士と司法書士は、過払金返還請求バブルとも言える状況であり、消費者金融業者から依頼人が返して貰った金で、かなり潤っているのが現状です。

しかしいくらなんでも、6割は言い過ぎだよ、というのが記事の感想でした。一例として、9社から借り入れのある場合で、現在の借入額が475万8803円で、再計算後の借入額が162万1996円、減額に成功した額が313万6807円、過払金返還額が121万2500円、弁護士報酬が77万2990円である、という例です。

この記事では、返還額121万2500円に対して、弁護士報酬が77万2990円であるとして、過払金の約64パーセントが弁護士報酬として消えてしまうと批判しています。しかしながら、この例では本来は、依頼人の利益は減額成功分313万6807円と返還額の121万2500円の計434万9307円であり、それに対する弁護士報酬は、約18パーセント弱に過ぎません。

このような数字のレトリックで、弁護士がいかにも悪徳商売であると言われるのは、甚だ心外です。利益の金額を適切に計算できない人がこの記事を書いたのか、それとも弁護士報酬への批判を煽るためにこの記事を書いたのかわかりませんが・・・

明らかに間違いか、悪意のある記事なので、星ゼロです(笑)。


【★★★★★】

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